今回はゲーリー・ウィルソンさんの著書である「インターネットポルノ中毒: やめられない脳と中毒の科学」をご紹介しようと思います。
著者のゲーリー・ウィルソンさんは人間の病理学、解剖学、生理学、中毒と交配、絆の神経化学を研究されたきた方で、2015年には性的健康進歩学会から、ポルノ中毒に関する傑出したメディア貢献と公共教育についてメディア賞を授与された方です。
インターネットポルノ中毒とは簡単に言うとエロ動画視聴中毒と言い換えることができます。
本書はポルノ中毒に陥っている現代人が、ポルノ中毒から人生を取り戻すための本となっています。
著者は決してポルノをNGと言っているわけではなく、それを良しとしている人は好きなようにすれば良いと述べられています。ただし、ポルノが自分をダメにしていると思っている人がいれば、その助けになりたいと。
それでは、本書に述べられているポルノ中毒に対する脱却法を簡単にご紹介します。
1.ポルノ動画を見る影響
ポルノ動画を見る悪影響として不安、集中力の低下、うつ症状の原因等になるとされています。
これは脳内でドーパミンと言う快楽物質に関わる脳内ホルモンが過剰に分泌されるからです。
逆にポルノ動画を見ないとどのようなメリットがあるかと言うと、集中力の向上、日々の活力向上、自尊心の向上、男性機能の向上等が挙げられていました。
2.ポルノの見過ぎがあなたをダメにする
現代ではスマホやパソコンなどから簡単に、そして無料でポルノ動画が見られるようになり、その影響で日常生活に不調が起こるとされています。
本書では『ポルノ中毒=薬物中毒』とまで定義されています。
ポルノ中毒者は、若年男性であればセックスに無関心、既婚カップルはセックス減少→セックスレス、そして、絆の深いセックス から体だけのセックス に陥ります。
3.ポルノ起因ED
ポルノ動画の見過ぎはED(勃起不全)に陥るとされています。これを『ポルノ起因ED』と定義されています。
ポルノ起因EDに陥ると本物の恋人やパートナでは興奮できなくなり、関係がぎくしゃくすることになりかねません。
自分がポルノ起因EDがチェックしたい場合は、以下を行ってみましょう。
①泌尿器科で医学的に異常がないことを確かめる
②お気に入りのポルノでオナニーする
③ポルノについて空想せずオナニーして、②と③の勃起と射精の時間を計測する
→ポルノなしでは勃起やオナニーに障害が生じるのであればポルノ起因EDです。
4.ポルノを絶って人生をとり戻す
ポルノを断つことで、人生の好転 集中力、記憶力の向上、自尊心の向上などのメリットがあると1項でも述べましたが、それは、脳の報酬系回路の感度が回復し、日常の喜びを再び感じられるようになるためです。それ以外にもポルノを断つことにより脳の前頭前野が強化され、意志力が回復するとされています。
それでは具体的にどのようにしてポルノを断つかですが、以下を行ってみてください。
●すべてのデバイスからポルノ関連ページを削除する
ポルノブロックソフトや広告ブロッカーを導入することも有効です。
●先延ばしにする
ポルノ動画が見たくなったら、散歩に出かける、腕立て伏せをするなどすれば、ポルノ動画が見たいという衝動を忘れることができます。
●セラピー、支援グループ、意志に相談する
●日記により、ポルノ断食の見える化をする
ポルノ断ちをして何日目などが見える化できると習慣化しやすくなります。手書きの日記にこだわる必要はなく、スマホなどにメモするだけでも、習慣化しやすくなります。
●運動する
運動は最も普遍的で便益をもたらすと述べられていました。特におススメなのは散歩と腕立て伏せです。ポルノ動画を見たい衝動に襲われたら、腕立て伏せを10回する。外出先ですると変人に思われる危険性があるので、腕立て伏せは家の中で行いましょう。
●冷水シャワーにより意志力回復
これからの時期は辛いですが、冷水シャワーを毎日浴びることで意志力が回復するとされています。
●寸止めするなら無理をせず射精する
ポルノ断ちの期間にオーガズムに陥らなければ問題ないという考え方は最も危険とされています。ダラダラとポルノ動画を見過ぎることに繋がるため、寸止めするくらいなら射精をしてしまい、また新たにポルノ断ち期間を開始すればよいとされていました。
また、デイヴ・アスプリーさんの著書である「シリコンバレー式 超ライフハック」では、男性はオーガズム(射精)の回数を1回/週にするか、(年齢ー7)÷4のペースにすることが推奨されていました。(女性は2回/週のオーガズムが推奨)
書籍によっては毎日オーガズムに達した方が良いとされるものもありますが、自分に合った方法や期間を見つけることが重要だと思います。
本書はそのために一助になる本となっていますので、興味がる方は是非手に取って読んでみてください。
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