今回はケリー・マクゴニガルさんの著書「スタンフォード式人生を変える運動の科学」をご紹介したいと思います。
著者のケリー・マクゴニガルさんは、スタンフォード大学で健康心理学の博士号を取得され、発売された本の多数が世界的ベストセラーになっている世界的な健康心理学者の方です。
運動が健康に良いというのは誰もが1度は耳にしたことがあると思います。
ですが、なぜ運動が健康に良いのかご存じですか。
そう聞かれたとき、みなさんならどのようにお答えになられるでしょうか。
何となくは知っていても、誰かに説明しようとすると案外、難しかったりします。
本書で紹介されていた運動が健康に良い理由は、以下の通りです。
1.人間は狩猟採取の時代が長かったため、獲物を捕らえるために身体を動かす本能を持っており、体を動かすことで喜びを感じやすい
2.運動をすることでエンドルフィンという物質が分泌され、内因性カンナビノイド(脳内物質)という麻薬と同じくらい苦痛を緩和してくれる物質が分泌される
3.自然の中で運動することでストレスが緩和され、癒しの効果が得られる
私たちの体は運動すると、筋肉の収縮により運動誘発性マイオカインというホルモンが分泌され、ストレス耐性を向上させるとされています。
マイオカインというホルモンは「希望の分子」とも呼ばれており、筋肉の増強、血糖値の調整、体内の炎症抑制や癌細胞を減らす効果があることが分かっています。
また、心理学の中では自然の中で行う運動をグリーン・エクササイズと言うのですが、このグリーン・エクササイズを行うことで、気分が明かるくなったり、楽観的になったり、苛立った気分を穏やかにする効果もあったりと、メンタルに対する天然の解毒剤とも言われています。
うつ病患者に自然の多い公園で散歩をすることを促した結果、うつ病を克服する確率がアップするといった結果も得られているくらい自然が持っているエネルギーというのはすごいのです。
ですが、運動が嫌いな人も当然いると思います。忙しくて運動する時間がない方もいると思います。
スポーツ庁の世論調査では、週3日以上、運動やスポーツをする人の割合は28%程度であり、約7割の方は運動を習慣に出来ていないことになります。
本書では運動が嫌いな人でも、軽い運動を3回/週、6週間継続することで脳が変化し、運動が好きになり、毎日のように運動がしたくなると紹介されていました。
運動で得られる効果は健康やダイエットだけではなく、何かをやり遂げる力であったり、他者との繋がりであったり、困難に立ち向かう勇気なども得られます。
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