日光を浴びてビタミンDを生成しよう

新型コロナウイルスの流行により、この1年で私たちの生活スタイルは大きく変わりました。特に外出自粛やテレワークなどの在宅勤務が増えたことで、日光を浴びることが極端に減っています。

日光を浴びる時間が減ることで幸せホルモンであるセロトニンの分泌量やビタミンDの生成量は低下しますが、今日はビタミンDの生成量が減ることによるデメリットをご紹介します。

デメリット①:骨粗鬆症 

これは皆さんも一度は耳にしたことがあると思いますが、ビタミンDは腸からカルシウムを吸収する働きであったり、骨を丈夫にする働きなど骨の代謝に深く関わっています。そのため、ビタミンDが不足すると、骨密度が下がり骨折をしやすくなることがわかっています。

デメリット②:うつ病

ビタミンDが不足することでうつ病の発症確率が上がることがわかっています。ビタミンDは脳内神経伝達物であるセロトニン(別名:幸せホルモン)を正常に分泌させる働きがあり、ビタミンDが不足することで、セロトニンが正常に分泌されず、精神活動に影響を及ぼすとされています。

うつ病の発症は、特に日照時間が少なくなる秋~冬にかけて発症率が上がることもわかっており、その重症度も血中のビタミンD濃度と関係性があるとされています。 

デメリット③:免疫力低下

ビタミンDには細菌やウイルスを殺す「カテリジン」というタンパク(抗菌ペプチド)を作らせる働きがあります。体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、必要な免疫機能を促進し、風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも効果があることが分かっています。

昔の人が「子供は風の子、元気な子 」と言って、子供たちを外で遊ばせたのは理にかなっていることになります。

デメリット④:三大疾患のリスク

三大疾患とは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の事であり、私たちにとって身近な病気です。この三大疾患による死亡率が低減することが分かっています。特にがんについては、ほとんどのがんリスクが低減することがわかっているため、改めて注目されています。       

デメリット⑤:アレルギーリスク

花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギーに対して、 症状が軽減(1/3程度) することも分かっています。

例えば花粉症であれば、緩んだ腸粘膜の結合状態を改善し、適切な免疫抗体の産生を促すことで花粉症を根本的に改善してくれます。

デメリット⑥:糖尿病

今や日本の成人人口の1/5である約2000万人が糖尿病又は糖尿病予備軍と言われていますが、ビタミンDとカルシウムをセットで摂取することで、糖尿病のリスクが低くなることが分かっています。

図2. ビタミンD摂取量別、カルシウム摂取量と糖尿病発症のリスク
国立研究開発法人 予防研究グループHPより引用

デメリット⑦:認知症

今や日本の65歳以上の15%が認知症を患っているとされていますが、ビタミンDの摂取量が減ると認知症発症のリスクが増加することが指摘されています。

アメリカのエクセター大学が65歳以上の高齢者を対象に認知症発症の追跡調査したところ、中程度のビタミンD欠乏では認知症の発症リスクは53%増加し、深刻なビタミンD欠乏では125%も増加したと調査結果を発表しました。

また、記憶力や情報処理能力(頭の回転のスピード)も衰えることも分かっています。

デメリット⑧:くる病

くる病とは、子どものときにカルシウム・リンが骨基質に十分に沈着せず、骨塩(セメント部分)が不十分な弱い骨ができてしまう状態です。簡単に言うと、乳幼児の骨がまっすぐに成長しない病気です。身長の伸びが止まった大人では同じ病気を骨軟化症と呼びます。

主な症状としては、子供では頭蓋骨を指で押しただけで凹むほど柔らかい、乳歯の生えるのが遅い、虫歯になりやすい、下肢が曲がる(O脚やX脚)、身長が伸びない、転びやすいなどが挙げられます。大人では、骨塩が不十分な弱い骨のために骨が曲がりやすく、姿勢を維持するために筋肉や関節に負担がかかることにより、いろいろな関節や背中が痛くなるといったものです。

直接的にはカルシウムやリンといった骨を丈夫にする栄養素の欠乏が原因ですが、ビタミンDはそれらの栄養素を腸から体内に吸収されるのをサポートする働きがあり、どれだけカルシウムやリンを摂取しても、ビタミンDが欠乏していると体に吸収されません。

特に妊娠中の女性は、くる病予防のために積極的にビタミンDを多く含む食品を摂取するよう心がけましょう。

ここまで紹介した内容を踏まえるとビタミンDを摂取することの重要性をご理解いただけたと思いますが、ビタミンDは①日光(紫外線)を浴びる、②食事、③サプリメントから摂取することが出来ます。私は意識的に日光を浴びるようにしていますが、日光を浴びることでシミや皴の原因にもなるため、女性は②食事や③サプリメントからでも気軽に摂取できますので、日常の中で意識して摂取してみてください。

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