「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法」

今回は故:小出義雄さんの著書である「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法」をご紹介しようと思います。

前表紙
市民ランナーも中級から上級者になると、レースでは自己ベストの更新が目標になる。しかし、どこかで必ず伸び悩みが起きる。毎日練習してもなかなかタイムが縮まらない。一体どうすればいいのか? 著者は言う。「マラソンにはコツがあって、だいたい35キロ地点を一番速く走ると記録が出るんです」と。本書は、この「マラソンのコツ」を解説し、練習法を記していく。一番苦しい30キロ過ぎを、どうやって一番速く走るのか? サブ4、サブ3・5、そして夢のサブ3までを見据えて、具体的な練習メニューを公開しながら、ランナーを目標達成に導く。

ランナー以外の方でも著者である小出義雄さんの事をご存じの方も多いのではないでしょうか。

小出さんが一躍有名になったのは2000年のシドニー五輪女子マラソンで高橋尚子さんが金メダルを取った時だと思います。その時に高橋選手を指導していた監督が小出義男さんでした。

あまり知られていませんが、小出監督は順天堂大学時代に箱根駅伝を走っている箱根ランナーであり、60歳の還暦記念に出場したマラソン大会では、数年ぶりのマラソン大会でケガをしないようにゆっくり走ったというにも拘らず、3時間17分台でゴールし、60歳で堂々のサブ3・5(3時間30分切り)を達成された方です。

市民ランナーの方でサブ3を達成できる方は全体の2~3%程度と狭き門なのですが、この本はサブ3を達成するための秘訣やアドバイスが書かれています。

指導していた選手にオリンピックで金メダルを取らせた監督が出版した本なんですから、信憑性は疑いの余地もありません。

そんな小出監督のアドバイスこそが、この本のタイトルとなっている「30キロ過ぎで一番速く走る」です。

ランナーの多くは体力に余裕のある前半にタイムの貯金を作り、後半は根性で粘るという作戦を取りますが、小出監督は30kmまでにタイムの貯金を作るのではなく、体力の貯金を作っておくことをアドバイスしてくれています。

そのために小出監督はマラソン当日にあえて脚に疲労を残して「重たい脚」を作り、前半の飛ばし過ぎを抑える戦略をススメています。

通常はマラソン大会が近づくにつれて練習量をセーブし、マラソン大会当日に万全の状態で走れるように調整するのですが、ここには小出監督の理論が詰まっています。

サブ3を達成するためには、平均4分15秒/kmのペースで走り続ける必要があるのですが、小出監督がおススメするサブ3のレースプランは、以下のようにビルドアップとなっています。

 0 ~ 15km 4分25秒/km

15 ~ 30km 4分15秒/km

30 ~ ゴール  4分05秒/km

このレースプランを実行するために重要なのは、30km以降のペースである「4分05秒/km」を余裕を持って走れるようトレーニングをすることです。

小出監督はサブ3達成のための練習方針(3か月)を以下のように述べています。

①.1週間に3日、脚や心肺に負荷をかける練習日(ポイント練習の日)をつくる。残り4日のうち3日はジョギング(積極的休養)、1日は休み(完全休養)にする。(ポイント練習はインターバル走、坂道インターバル、タイムトライアル、ペース走、ビルドアップなど)

②.平日でも、場合によっては練習時間が2時間くらいかかる日がある。

③.土日はともにポイント練習日。うち1日は長い距離を走る。

④.3ヵ月のうち、最初の10週を通常練習、最後の3週を調整練習の期間とする。

⑤.通常練習の10週間は2週ごとに強度を強め、逆に調整練習の3週間は1週ごとに強度を弱める。

本書には具体的な練習メニューも記載されていますし、小出監督は元公務員ランナーである川内優輝選手のように練習の代わりに大会に出ることも推奨されています。

また、自己ベストを更新するためにはケガをしないこと、無理をせず、ケガをしそうになった時は休むことも練習と同じくらい重要と仰っています。

今回のブログではサブ3達成にフォーカスを当てて記載していますが、サブ4を達成したい方も本書はおススメの内容となっていますので、マラソンにチャレンジしている方やこれからチャレンジしようと思っておられる方は、是非手に取って読んでみてください。

本書を読めば、あなたもサブ4,サブ3を達成できます。

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