「疲れない体大全: フィジカル×メンタル最新研究が実証した」

今回は中野ジェームズ修一さんの著書である「疲れない体大全: フィジカル×メンタル最新研究が実証した」をご紹介しようと思います。

人類普遍の悩みともいえるものの一つに、「体の疲れ」があります。本書は、我が国を代表するフィジカルトレーナーである著者が、最新医学の見地をもとに、「この本1冊で悩みはすべて解決」といえるほどにティップスを紹介。老若男女、すべての人が日常生活で実践できる「疲れない体づくり」本の決定版。


序章 そもそもなぜ、疲れるのか
――疲れることをしないから疲れやすい体になる

第1章 自律神経を整えて疲れない体を手にする
――交感神経と副交感神経をバランス良く使う

第2章 疲れない体をつくるトレーニング
――「疲れる運動」が鍵を握る

第3章 疲れない食べ方
――「食べすぎ」も「食べなさすぎ」も間違い

第4章 疲労を回復させる眠り方
――睡眠時間から逆算して1日のスケジュールを立てる

第5章 疲れた筋肉をゆるめて超回復
――ストレッチで疲労回復をアシストする

第6章 体の痛み・コリをリセットする
――ストレスケアが重要

第7章 心の疲れを取り除く
――体の疲れと心の疲れは表裏一体

著者の中野ジェームズ修一さんは、一言でいうと「トレーナー」の方なのですが、3年先まで予約が取れないと言われている「超有名一流トレーナー」の方なんです。

これまでに多数の書籍を出版しておられるのですが、私が中野ジェームズ修一を知ったのは、プロランナーである神野大地選手のYoutubeで走りの動作であったり、トレーニング動画を見たのがきっかけでした。

もちろん最初に見たときは神野大地選手のトレーニングを参考にするために見たYoutubeでしたので、「この人誰だろう!?」と思っていたのですが、後で調べてみるとすごい方でした。

今回の著書のタイトルは見た瞬間から興味の湧くもので、最近、テレワークや在宅勤務の増加で体を動かす機会が減ったのにも拘らず、疲れたと感じている方に是非読んでいただきたい作品となっています。

1.なぜ疲れるのか? 

そもそも疲労とは「心身に過剰な負荷がかかり、パフォーマンスが低下すること」とされています。加齢と共に疲れやすくなったとよく聞きますが、加齢よりも運動不足などが原因による「体力の低下」により疲労感を感じることが多いようです。

本書では「疲れることをしないとかえって疲れやすくなる 」 とされており、これがテレワークや在宅勤務で疲労感を感じる原因となっています。

20代男性の1日にの平均歩数は会社への通勤などを含めると「8000歩」と言われていますが、テレワークや在宅勤務などで家から出ないと「200歩」程度しか歩かなくなり、まさに体を動かさないことでかえって疲れやすくなっていることを表す数値です。

体を動かさないことで疲れるようになる原因としては主に以下の3つが挙げられています。

【原因①:睡眠パターンの乱れ 】

本来、私たちの体は日中を活動的に過ごすと、夜に眠気が高まる仕組みが備わっています。ところがテレワークや在宅勤務により日中の消費カロリーが減ってしまうと、 疲労因子と疲労回復因子のバランスが崩れ、十分な睡眠がとれず疲労が回復しなくなってしまいます。

良質な睡眠をとるためには、日中の活動量を増やす、毎日同じリズムで生活する、スマホなどのデジタル機器を生活から遠ざけるデジタルダイエットが有効とされています。


【 原因②:体力の低下と体重の増加 】

今までは通勤や家事と言った日常生活で消費する 「生活活動代謝」がテレワークや在宅勤務の増加により低下するため、今までと同じ食生活をしていると体重増加に繋がってしまいます。実はこの生活活動代謝は1日に消費するカロリーの20~30%を占めるくらい大きなウエイトを持っているため、1日の消費カロリーが低下すると太ってしまうのは当然の結果と言えます。

【 原因③:長時間座っていること 】

長時間座っていると、体中の血液やリンパ液を心臓に循環させる機能である“ミルキング・アクション”の働きが弱くなり、体中の疲労物質を除去する機能が低下してしまいます。

そのため、定期的に立ち上がったり、散歩などをしてこのミルキング・アクションを働かせることが重要です。特にふくらはぎは第2の心臓とも言われているくらい、心臓に血液やリンパ液を戻す機能を担っていますので、ふくらはぎを動かすことを意識することでミルキング・アクションが活発に働くようになります。

2.疲れない体を作る方法
疲れない体を作るには、矛盾しているようですが、疲れるトレーニングをして体力を上げることとされています。その結果、体自体が疲れに耐えられるようになると共に、脳も疲れに慣れ、「疲労感」感じなくなります。
疲れない体を作る方法として一体に何をすればよいかと言うと、自分の限界まで追い込むハードなトレーニングを行うことがベストですが、本書では普段のトレーニングに1つプラスする「プラス・ワン・トレーニング 」 を習慣にすることが推奨されていました。

運動習慣のない方であれば、歩くスピードを早歩きにしたり、エレベーターの代わりに階段を使ったりと、ちょっとしたことで構いません。

運動習慣がある方は、筋トレの回数やセット数を増やしたり、いつもより長く走ったりと、ちょっとしたことをプラスするだけで良いとされています。

3.疲れないための生活習慣

一言で言ってしまえば、「食事、睡眠、運動を整えること」に尽きます。

食事はこれを食べれば疲労が吹き飛ぶといった「特効薬」はありません。腹8分目や栄養バランスの整った食事を摂るように心掛けましょう。

睡眠についても同様です。疲労回復に最も重要なのは睡眠ですので、質と量を意識して寝るようにしましょう。どれだけトレーニングを行って体を追い込んでも、回復しなければかえってパフォーマンスが低下してしまいます。

4.疲れた体の回復法
前項で疲れないための生活習慣について述べましたが、本書では疲れた体の回復方法として、入浴を推奨していました。夏場は暑く、シャワーだけで済ませてしまう方も多いかも知れませんが、本書では入力する際は浴槽に入ることをお勧めしています。それは、浴槽に入ることで以下の効果があるからです。

 疲労回復作用①:温熱作用により血行が良くなる
 疲労回復作用②:静水圧作用により水圧が全身にかかり老廃物排除される
 疲労回復作用③:浮力作用により筋肉の緊張がほぐれる


また、更なる疲労回復方法として、温かいお湯と冷たい水に交互に浸かる「交代浴 」 も推奨されています。

交代浴は私も実施しており、疲労回復効果を実感していますので、以下の1~4のステップを参考に皆さんも是非試してみてください。


 1.2~3分肩まで浴槽に浸かり、全身を温める
 2.15~30秒下半身のみ水風呂又はシャワー
 3.30~60秒湯舟又はシャワーを頭から浴びる
 4.1~3を5~10セット行う。

疲労回復方法や疲れない体を手に入れることは、アスリートだけではなく、ビジネスマンなど日々の生産性を少しで上げたいと思っている方には重要な能力です。

日々の生活に疲労感を感じている方は是非手に取って読んでみてください。

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