傲慢と善良

今回は辻村深月さんの著書「傲慢と善良」をご紹介します。

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》

本書の主人公は婚活に励む39歳のアラフォー男性:西澤架。

架は結婚願望がなく、独身生活を謳歌していましたが、徐々に周りの友人が結婚、出産そして親になっていくのを目の当たりにするうちに、1人で生きていくことに不安を抱き、婚活を始めます。

婚活アプリで出会った女性にピンとくる女性はいなかったものの、一緒に居て居心地がいいと感じた坂庭真美と付き合い、徐々に結婚を意識するようになります。

真美は地方育ちで親の言うとおりに育てられた「いい子」であり、本書のタイトルにもある善良な子ですが、そんな真美がストーカー被害に遭い、突如、架の前から姿を消します。

架は真美を連れ去ったストーカーを探すべく、真美が過去に婚活を行っていた際にマッチングした男性を調べ、真美の行方を探します。

しかし、ストーカーに辿り着こうと真美の過去を調べると、善良な子と思っていた真美が、善良がゆえに滲む傲慢な過去に気付いていきます。

本書は恋愛小説に分類される小説ですが、ミステリー小説な部分も含んでおり、また、架や真美、その他の登場人物のそれぞれの視点で描かれていたので、500ページ以上の長編小説でしたが、とても楽しく読むことが出来ました。

私たちの人生は私たちの意思、選択により作られるものですが、その選択がどのくらい周りの目や意見を気にせず、自分の本能や理性で選択してきたのか、改めて考えさせられる作品でした。

誰しもに寿命があり、刻一刻と寿命は近づいています。

残された人生くらい周りの目や意見を気にせず、自分の思うがままに生きたいものですよね😆

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