自動車のない街 ~カルデサック・テンペ~

アメリカのアリゾナ州に「カルデサック・テンペ(Culdesac Tempe)」という新しい都市が建設されています。この都市は実験的な都市で、「自動車のない街」をコンセプトに掲げています。

これはカルデサック社(オンライン不動産プラットフォームであるOpenDoor社の創業メンバーだった方と、都市開発の専門家が設立)が計画した街であり、街の面積は約68、000㎡という東京ドーム1.5倍分の広さです。

予算は約145憶円の見込みで、約1000人が住める住宅区やレストラン、市場、食料品店、スポーツ事務などが建設予定のようです。

しかし、「自動車のない街」をコンセプトにしているだけあって、それらの店舗には住居者や店舗用の駐車場がありません。外部から来たゲスト用の駐車場はあるようですが、その街に住む人は基本的に自転車やレンタルバイク、電車やバスなどを利用することになるようです。近くの町までに移動手段としては軽量軌道交通(ライトレール)も建設されるようですが、遠出する際には日本でいうタクシーのようなサービスを受けることになるようです。

この自動車を無くすという発想は、今後の環境汚染に対する対策として、とても可能性を感じています。 

車は確かに便利です。車の発展は経済成長に大きく貢献してきた産業の1つではありますが、車を使わなくてもよい世の中になれば、移動手段は散歩や自転車などの運動を伴うものとなり、気分転換や健康促進に繋がります。

私たちが普段何気なく乗っている車は、警視庁は発表では、2019年の交通事故発生件数は381,002件、負傷者数は460,715人、死者数は3,215人となっています。

そして、統計を取り始めた昭和23年から令和元年までのデータとなると、交通事故発生件数は39,377,329件、負傷者数は47,064,684人、死者数は636,481人となっています。

正直、ここまでくるとよくわからない数字になってしまいますよね…

交通事故発生状況の推移

発生件数
(件)
負傷者数
(人)
死者数
(人)
昭和23年21,34117,6093,848
昭和24年25,11320,2423,790
昭和25年33,21225,4504,202
昭和26年41,42331,2744,429
昭和27年58,48743,3214,696
昭和28年80,01959,2805,544
昭和29年93,86972,3906,374
昭和30年93,98176,5016,379
昭和31年122,691102,0726,751
昭和32年146,833124,5307,575
昭和33年168,799145,4328,248
昭和34年201,292175,95110,079
昭和35年449,917289,15612,055
昭和36年493,693308,69712,865
昭和37年479,825313,81311,445
昭和38年531,966359,08912,301
昭和39年557,183401,11713,318
昭和40年567,286425,66612,484
昭和41年425,944517,77513,904
昭和42年521,481655,37713,618
昭和43年635,056828,07114,256
昭和44年720,880967,00016,257
昭和45年718,080981,09616,765
昭和46年700,290949,68916,278
昭和47年659,283889,19815,918
昭和48年586,713789,94814,574
昭和49年490,452651,42011,432
昭和50年472,938622,46710,792
昭和51年471,041613,9579,734
昭和52年460,649593,2118,945
昭和53年464,037594,1168,783
昭和54年471,573596,2828,466
昭和55年476,677598,7198,760
昭和56年485,578607,3468,719
昭和57年502,261626,1929,073
昭和58年526,362654,8229,520
昭和59年518,642644,3219,262
昭和60年552,788681,3469,261
昭和61年579,190712,3309,317
昭和62年590,723722,1799,347
昭和63年614,481752,84510,344
平成元年661,363814,83211,086
平成2年643,097790,29511,227
平成3年662,392810,24511,109
平成4年695,346844,00311,452
平成5年724,678878,63310,945
平成6年729,461881,72310,653
平成7年761,794922,67710,684
平成8年771,085942,2049,943
平成9年780,401958,9259,642
平成10年803,882990,6769,214
平成11年850,3711,050,3999,012
平成12年931,9501,155,7079,073
平成13年947,2531,181,0398,757
平成14年936,9501,168,0298,396
平成15年948,2811,181,6817,768
平成16年952,7201,183,6177,436
平成17年934,3461,157,1136,937
平成18年887,2671,098,5646,415
平成19年832,7041,034,6525,796
平成20年766,394945,7035,209
平成21年737,637911,2154,979
平成22年725,924896,2974,948
平成23年692,084854,6134,691
平成24年665,157825,3924,438
平成25年629,033781,4924,388
平成26年573,842711,3744,113
平成27年536,899666,0234,117
平成28年499,201618,8533,904
平成29年472,165580,8503,694
平成30年430,601525,8463,532
令和元年381,002460,7153,215
合計39,377,32947,064,684636,481

人間は便利を追求することで、ここ100年間にすさまじい勢いでテクノロジーを発展させてきました。そのスピードは今後も衰えることなく、これから先もいろいろな物が発展・開発されるでしょう。

私はこの統計データを知ってから、物事の本質やメリット/デメリットを把握する必要がると強く思いました。

人は自分たちが便利になるものに対しては、メリットにしか注目しなくなりますが、このデータのように車にも大きなデメリットは存在します。車に限って言えば、事故を無くすために自動運転や排気ガスによる地球温暖化に対しては電気自動車が近い未来に普及することになると思います。

それでも私たちは、そのことを理解して、いろいろな視点から物事を見れる視野を培っていく必要があると思います。

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