有事即断

この言葉は読んで字の如し、「何か有事があった際に対策を即決すること(即断即決)」を意味しています。

東日本大震災の際に救援や福島第一原子力発電所の事故対応に奔走した自衛隊員が、苛酷な状況でも、冷静に、取り乱すことなく任務をやり遂げた姿がこの有事即断にあたります。

自衛隊の方は普段から厳しい訓練を行い、迅速な判断と臨機応変に対応できる対応力やメンタルを培っているから、出来て当たり前のように思いますが、今の政治家たちを見ていると自衛隊員の「有事即断」は本当にすごいことだと改めて思い知らされます。

今の日本において何か政策や対策を講じる際には必ずそのエビデンスを求める風習が根付いていますが、それは今回の新型コロナウイルス対策を講じる際にも同様で、国会で答弁する際は必ず何らかの「エビデンス(根拠)」を求められます。

「その対策にエビデンスはあるのか?」

「専門家の判断を仰いでいるのか?」

しかし、今回のコロナウイルスのように前例のない事態に対応する際、エビデンスを待っているようでは対策が後手に回ってしまいます。

そのことを、ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の「山中教授」はこのようなことを仰っていました。

「今、大切なのは、早く対策をする。待たない。今よく言われるのは「その対策にエビデンスはあるんですか?」と。「科学的エビデンスに基づいた対策ですか」と。でもこれは、エビデンスを待っていては、いつまでも対策できません。人類が初めて経験していることなんですから、エビデンスなんてどこにもないんです。じゃあ、その間に何もしなかと言ったら、その間に手遅れになってしまいますから、このウイルスというリスクは、一旦感染が広がってしまうと、ほんとに大変なことになる。先手が必要である。」

日本はコンプライアンス(法令遵守)文化であると言われ、製品における「Made in Japan」は高い品質を誇っていると海外からとても高い評価を受けていましたが、その高い品質を作り上げてきた日本の文化が、こうした不測の事態において足枷になっていると思うとなんだか急に悲しくなります。

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