今回はアランナ・コリンさんの著書である「あなたの体は9割が細菌」をご紹介しようと思います。
私たちの身体を構成しているのは細胞だと思われている方も多いと思うのですが、実は細胞は1割で、残りの9割は細菌(微生物)で構成されています。
そのことが、この本のタイトルの由来なのですが、当然、私たちの9割を占める細菌がなくては私たちの生活は成り立ちません。
突然ですが、みなさんは栄養吸収による大腸の役割をご存じでしょうか。
学校の保険体育の授業で栄養吸収を行うのは小腸であり、大腸は排便のための消化器官であると教わった方が多いのではないでしょうか。
実は近年の研究ではこの大腸からもビタミンの合成や吸収が行われており、この大腸にいる細菌がいなければ、私たちの健康が維持できないことが分かっています。
そして、この大腸にいる細菌のエサとなるのが食物繊維であり、この食物繊維と肥満に関係する面白いデータがあります。
アメリカ人やイギリス人の多くが肥満体質にあるのは皆さんも何となくイメージできると思うのですがが、実はとある研究で肥満率が向上しているのは脂質、糖、カロリーのような肥満をイメージさせる栄養素の摂取量ではなく、食物繊維の摂取量が関係していることが分かっています。
食物繊維をしっかり接種していると、食物繊維が腸内細菌のエサになり、その結果、脂質、糖、カロリーを多く含む食事を摂っていても、腸内細菌が上手く消化してくれ、肥満率を低減させているわけです。
近年では腸は第2の脳とも呼ばれ、脳との密接な関りや免疫力に関する関りが注目されていますが、そのことを理解するうえで一助になってくれる本でもあります。
興味がある方は是非、手に取って読んでみてください。
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