今回は諏訪通久さんの著書である「サブ2.5医師が教える マラソン自己ベスト最速達成メソッド」をご紹介しようと思います。
著者である諏訪通久さんは、日本整形外科学会専門医で、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師ジョガーズ連盟所属ランニングドクター、日本陸上競技連盟公認コーチ、高崎経済大学・東京農業大学第二高等学校陸上競技部スポーツドクター、フィジカルトレーナーなどの多数の職業や肩書をもっておられます。
諏訪さんは陸上未経験者ながら2年でフルマラソンを2時間30分以内で完走したお医者さんで、そんな諏訪さんが勤めている病院の「陸上アスリート専門外来」には、全国各地から患者が訪れると言います。
諏訪さんが医者という多忙な生活を送りながら、2年でサブ2.5(2時間30分以内)を達成されて秘訣は、午前4時から2時間かけて練習し、自己流で月間約600キロの練習を行ったと述べられています。
また、本書の中で諏訪さんは、マラソンのタイムを縮める方法として「地道に続けることが1番の近道。そのために、妨げるケガやメンタル不調への対応力を身に付けることが大切」と述べています。
そんな諏訪さんがスポーツドクターとして、数多くのランナーを診てきた中で、速くなるランナーには2つの特徴があると述べています。
1.新鮮な気持ちで能動的に練習できる時間を確保する
練習メニューにメリハリを付けたり、練習場所をロード、芝生、トラックやトレイルなどに変えたり、時間が無くても30分は走るよう習慣を身に付けていること。
2.体調管理に気を付ける
「走るだけが練習ではない」、記録が伸びるランナーは栄養、睡眠、生活習慣やケガの知識・予防などにも気を配ること。
諏訪さんはケガをしないためには、ポイント練習の回数は2回/週、そして、ポイント練習を水曜と土曜のように決まった曜日に行うのではなく、練習メニューは当日の疲労度を考慮して決定することをお勧めしています。
当日の疲労度とは、朝起きた直後の心拍数(安静時心拍数)を測定し、疲れていれば心拍数は早くなり、疲労が抜けていれば心拍数はゆっくりとなるのを確認するといいます。
1日2日では、自分の平均的な心拍数を把握するのは難しいですが、毎日行うと自分の平均心拍数が分かってきます。
私の場合は心拍数を測定できる時計を付けているので、そちらのデータを確認することで、筋肉痛などの体感的な疲労度だけではなく、目には見えない日々の疲労度も確認するようにしています。
また、ポイント練習は心理学的にこなせる確率が50%の前後に設定し、その日のポイント練習がこなせなくて落ち込まないことを提言しています。
そして、ポイント練習の強度も「6%の法則」と題して、ハーフマラソンで自分が目標とするタイムより6%だけ早いタイムをクリアできる練習にすることを進めています。
具体的に言うと、
・サブ4であれば、ハーフマラソンを1時間53分
・サブ3であれば、ハーフマラソンを1時間25分
・サブ2.5であれば、ハーフマラソンを1時間11分
となります。
計算するのが少し面倒な方は、マラソンペースから1km当たり6秒速く走れるトレーニングをするとだけ覚えておきましょう。
諏訪さんはトレーニングだけではなく、特に良質の睡眠を摂ることを推奨されています。良質の睡眠を摂るためには、①就寝時間を起床時間を一定にする。②就寝直前には食事を摂らない。③自分に合った寝具を使うなどをお勧めしています。
そしてマラソンが早くなるために最も重要なことは、「ケガなく、楽しく、継続する」ことだと諏訪さんは述べています。
マラソンが少しでも早くなりたいと思っている方は、必ずこの本は一助になってくれると思いますので、是非、手に取って読んでみてください。
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