今回はまさきとしかさんの著書「あの日、君は何をした」をご紹介します。
この本は、とある関係性のないと思われる事件から、過去と現在を繋ぎ、そして家族の愛と闇に迫るミステリー本となっています。
著者のまさきとしかさんは本書を書き上げた理由として「ひとりの人間の死が「自己責任」という記号で消費されることへの違和感から書きました」と仰っていますが、最後まで読み上げると、本当にこの言葉の意味が分かります。
本書は、親と子、特に母親と子供との関係をテーマに描かれていますが、近年では「毒親」や「親ガチャ」という言葉が流行語にノミネートされるくらい、世間では親子関係について注目されるようになりました。
そんな親子関係の様々な側面を本書は描かれています。
キレイで華やか親子関係もあれば、仮面をかぶり、ドロドロとした親子関係もありますが、ふとしたきっかけから親子の関係が崩れ、道を外れていく。
現在と過去の繋ぐミステリー小説は多数ありますが、本書はそれだけではなく親子の歪な関係性についても描かれているので、読み進めるにつれて、作品に吸い込まれるような感覚に陥ってしまいます。
子を持つお母さんには是非、読んでいただきたい本であり、どうか作品中の母親のようにはなってほしくないと思う1冊になっていますので、是非、興味がある方は読んでみてください。
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