今回は辻村深月さんの著書「ツナグ」をご紹介します。
本書は一生に1度だけ、死んだ人との再会を叶えてくれる「使者(ツナグ)」が死者と生者の仲介役になり、それぞれの絆を描くストーリーになっています。
主人公は普通の高校生・歩美。
歩美は「使者(ツナグ)」の力を祖母から引き継ぐ途中の見習い中ですが、「使者(ツナグ)」を通して多様な人々と遭遇することになります。
突然亡くなったアイドルが心の支えだったOL。
ガンで亡くなった母との再会を望む横柄な中年男性。
ケンカ別れしたまま自転車事故で亡くなった女子高生。
失踪した婚約者を7年待ち続ける会社員。
「使者(ツナグ)」の役割は生者と死者を再会させる仲介のような存在ですが、本当に必要な人にしか「使者(ツナグ)」に辿り着けないと言った自然な巡り合わせが用意されています。
このシステムは生者は死者と、死者もまた生者と、1度しか会うことは出来ません。ゆえに、その1回を誰に使うのか、誰と会いたいのか、そのたった1度の邂逅は、それだけ重い決断になります。
生きていれば誰しも身近な人の死を経験することになりますが、現実は死んだ人には2度と会うことは出来ません。
死者が蘇ることもありません。
本書を読み進めると、自分なら誰に会いたいか、生者の場合と死者の場合の両方で考えることになると思います。
この物語は改めてに自分にとって大切な人は誰なのか。誰を大切にしないといけないかを改めて思い知らせてくれる作品になっています。
また、本書は2012年に松坂桃李さん主演で映画化されているようですので、AmazonPrimeやNetflixで観れると思いますので、興味がある方は観てはいかがでしょうか。
ツナグ(新潮文庫)新品価格 ¥663から (2022/12/10 14:12時点) |
ツナグ (新潮文庫 新潮文庫) [ 辻村 深月 ]
価格:825円
(2022/12/10 14:13時点)
感想(138件)
コメント