今回は前野隆司さんの著書「幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法」をご紹介します。
みなさんは人の寿命を最も縮める要素が何かご存じでしょうか。
不摂生、運動不足、タバコやアルコール習慣が思い浮かぶと思いますが、実は人の寿命を最も縮める要素は「孤独」と言われています。
私たちは「孤独」と聞くと、「不幸」や「寂しさ」といったネガティブなイメージを思い浮かべると思いますが、本書では孤独は不幸ではないと述べられています。
コロナ禍をきっかけに「孤独」を感じる人は増え、その結果、学校に行けずに不登校になったり、家に引き籠る人が増えています。
内閣にも「孤独・孤立政策担当大臣」が新設されるほど、孤独な人を救うための政策が進められています。
ですが、本当に孤独は不幸なのでしょうか?
本書では孤独を過度に恐れる必要はなく、孤独であっても幸せな人生を送れる方法を紹介してくれていますので、少しだけ本書の内容をご紹介します。
1.孤独を幸せに感じる3つの考え方
本書では孤独を幸せに感じる考え方として、以下の3つが紹介されていました。
①.受け入れる(自己受容)
②.褒める(自尊心)
③.楽になる(楽観性)
①の「受け入れる(自己受容)」については、ありのままの自分を受け入れることが出来ない人は、自分のネガティブやマイナス面ばかりにスポットを当ててしまい、その結果、自分を必要以上に卑下する傾向があります。
他人と比べ自分に無い物を悲観する必要はありませんし、自分に有る物に目を向け、いい意味で諦めることが、ありのままの自分を受け入れることに繋がりますので、過度に自分で自分を苦しめることはやめましょう。
次に②の「褒める(自尊心)」についてですが、孤独感から抜け出せない人は、案外、自分の魅力や特徴に気付いていない人が多い傾向があります。
人の事を褒めるよりも、まず優先なのは自分自身を褒めてあげることです。
自分の魅力や特徴、出来ることに目を向け、自分で自分を褒めてあげることは自信に繋がります。
最後に③の「楽になる(楽観性)」についてですが、孤独であっても幸せになれることを理解していれば、将来を悲観する必要もなく、「何とかなる」精神でやり過ごすことが出来るはずです。
そもそも孤独を感じている人の多くは、「孤独」と「孤独感」を混同してしまっています。
孤独≠孤独感であることを理解するだけでも、孤独とうまく付き合えるようになるハズです。
2.幸せな孤独を実現するための方法
私たちの脳は狩猟採取時代の影響から今でも「群れの中に居れば安全、群れから逸れれば死」という思考がインプットされています。
その影響から人は孤独を恐れるのですが、特に日本人はこの傾向が強く遺伝子的に幸せを感じるホルモンであるセロトニンを分泌する能力が低い心配性の遺伝子を持っている民族です。
ですので、私たちが孤独や寂しさを感じることは自然の事であり、問題なのは、それをどのように捉えるかです。
そのために必要なことが「今」と「自分」から離れることです。
孤独を不幸と感じている人の多くは、どうしても目の前の事に囚われています。「寂しい」と感じるのであれば、なぜ「寂しい」と感じているのか、漠然となっている感情を深堀したり、紙に今までの人生の振り返りを書いてみれば、自分の人生が悪いことばかりではなく、良いこともたくさんあったことに気付けるハズです。
また、こうした状況では視野も狭くなりがちです。
「自分の幸せ」だけを望む人は、今の自分が「幸せではない」ことに囚われ、苦しみから逃れられなくなります。一度、自分の外に目を向け、目の前にいる誰かを喜ばせるようにすれば、自ずと自分も幸せになれます。
やっぱり自分の周りの人が笑顔で幸せそうにしていると、こちらも幸せな気分になれますからね。
コロナ禍において、確かに孤独を感じる機会は増えましたが、他人と比べ自分に無い物に目を向けるのではなく、自分にあるものに目を向けてもらいたいと思います。
最近、孤独を感じている方は是非、手に取って読んでみてください。
きっとあなたを救ってくれる本になると思います。
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