喜嶋先生の静かな世界

今回は森博嗣さんの著書「喜嶋先生の静かな世界」をご紹介します。

本書の主人公は文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いな橋場。工学技術系の大学に通うも教科書を読むだけの大学生活に落胆していたが、大学４年生の際に訪れた喜嶋先生のと出会いが、その後の彼の人生を大きく変えることになります。

喜嶋先生との出会いで、自分のやりたいことが見つかり、その後は寝食を忘れるほど研究に没頭し、喜嶋先生の後を追いかけます。

大学院に進み、修士課程や博士課程を得て、恋人が出来、結婚することで少しずつ社会人に近づきながらも、自分の好きな研究に没頭する。

そんな橋場と喜嶋先生の共通点は、自分の好きなことに夢中になり、没頭していること。

現実世界の私たちは、大人になるにつれて、現実を受け入れ妥協や我慢をしながらの生活が当たり前になる中、この２人は自分のしたいことに真っすぐに進んでいきます。

誰しも自分に正直に、そして真っすぐに生きたいと思っていても、大半の人は行動せず、世の中に不満を言うだけですが、本書を読み進めていくと自分の中にあった子供のころの真っすぐな気持ちを思い出させてくれます。

現実世界という柵に囚われている方や自分の思い描いたような人生を送れていない方には是非、読んでいただきたい本です。

この本を読むことで自分の中のピュアな気持ちを、思い出せるかもしれません。