今回は湊かなえさんの著書「カケラ」をご紹介します。
主人公は田舎出身者でありながら、ミス受賞経験もある美容整形外科医である橘久乃。
美容整形外科医に訪れてきた幼馴染から同級生である横網八重子の娘が自殺したという情報からミステリー物語がスタートします。
少女の死をめぐり、関係者に証言を求めると食い違う言い分。自己正当化から真相が見えずに物語が進んでいきます。
本書は小説としては珍しく主人公がずっと聞き役となり物語が進んでいきます。
現在はSNSが発達し、良くも悪くも自分以外の他者と比較してしまうことで、優位性を保ったり、反対に自己嫌悪に陥る機会が多くなっています。
本書の主人公である橘久乃は、聞き取りから真相を解明するのではなく、聞き役となることで事件の真相にたどり着こうとする今までにミステリー小説とは異なったアプローチをしています。
人は自分の話を聞いてくれる人がいて初めて素直になれるものかもしれないと思うような作品となっています。
興味のある方は是非読んでみてください。
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