有酸素運動と筋トレは混ぜるのはNG

トレーニング

今回はYou Tube「PIVOT 公式チャンネル」で紹介されていた動画の内容を紹介します。

今回のテーマは有酸素運動と筋トレについてです。

本チャンネルは司会進行の成田修造さんと国山ハセンさんが、テーマに沿ったゲストからタメになる情報を聞き出してくれるチャンネルですが、今回の内容がとても面白かったので、私は何回も見入ってしまいました。

今回は「VISITS Technologies」CEOの松本勝さんに最新科学や論文から導かれた有酸素運動と筋トレについて、トークが進められています。

松本さんは大学生のころに全日本ボディビル大会で3位、ベンチプレス1位の実績を誇り、現在も大会に出られているほどの実力と実績の持ち主ですが、筋トレを始めた大学生の頃は、身長179cm、体重51kgのガリガリの体形だったそうです。

そこから大学4年でボディビル選手権で優勝するために、徹底的にデータや研究結果を使って効率的に、そして無駄のないようトレーニングをされてきたそうです。

やっぱりがむしゃらに辛いトレーニングをするより最短で成果を出したいものですよね。

今回は松本さんが最新科学で証明された「トレーニング」や「ダイエット・ヘルスケア」の新常識を紹介してくれていました。

1.最新科学で証明されたトレーニングの新常識

(1)筋トレと有酸素運動を一緒にやるのはNG

2022年にノルウェー応用科学大学で発表された論文※では、有酸素運動と筋力トレーニングは間隔が短いほど筋トレ効果はなくなるそうです。

※43件の論文をもとにメタ分析した、4~6週間のコンカレントトレーニング(有酸素と無酸トレーニングを一緒に行うトレーニング)で最大筋力・筋肥大率がどう変わるのかを分析。

世の中には「20分くらい筋トレした後に15分くらい走った方が筋肥大する」と思われている方もいるかも知れませんが、科学からするとウソと言うことになります。

有酸素運動と無酸素運動の間隔を3時間以上空けるとネガティブな効果はないようですが、そもそも有酸素運動と無酸素運動には、干渉効果(2つの矛盾する情報が判断を鈍らせること)があり、それぞれの効果を打ち消しあってしまうようです。

もう1つの要因としては、有酸素運動などの長時間の有酸素運動で出るストレスホルモンの一種であるコルチゾールが筋分解を促し、筋肥大効果が落ちること原因とされています。

実はこれ、私が基本の練習を45分ジョグにしている理由もここにあります。

45分以上の有酸素運動はコルチゾールが筋分解を促すとされていますので、ポイント練習を除いた練習については、基本的に45分以内終えるようにしています。

(2)「やればやるほど筋肉がつく」理論とは?

筋トレにおける筋肥大効果はトレーニングボリュームと表され、以下の方程式が成り立ちます。

 トレーニングボリューム = 重量 × レップ数 × セット数

実際の例を用いるとわかりやすいのですが、ベンチプレスで40kgの重量を5回持ち上げようが、20kgの重量を10回持ち上げようともトレーニング効果は同じということになります。

40kg× 5回=200

20kg×10回=200

もちろん例外もあり、その人の最大筋力の30%以下の重量(ベンチプレスを最大100kg持ち上げる人であれば、30kg以下)のように軽すぎる重量では、方程式は成り立たなくなるようですが、よく耳にする筋トレ効果を最大化させると言われている最大筋力の80%の重量で6~8回の回数を行わなくても、筋肥大効果はあるということです。

これも2017年にニューヨーク市立大学で行われた低強度:高レップの筋トレと高強度:低レップの筋トレ効果を比較した実験で、筋肥大効果に有意差はなかったことから実証されています。

ちなみに短期的には低強度:高レップ数の方がトレーニングボリュームを稼げることから筋肥大効果は大きいようですが、筋力アップの観点からすると6レップ以下のような高強度(高重量)でやった方が、神経系が発達し、重い重量が扱えるようになるとのことです。

(3)「筋トレを追い込みすぎると筋肥大しない」理論とは?

筋トレって限界まで追い込むイメージがありますが、2019年にイーストテネシー州立大学が発表した論文では、限界まで追い込まない方が筋肥大効果が大きいことが実証されています。

論文の内容は筋トレを1年以上行っている15名を対象に限界まで追い込むグループと限界まで追い込まないグループに分けて、どちらが筋肥大効果が大きいか10週間の追跡調査をした結果、追い込まないグループの方が4倍も筋肥大効果が大きかったそうです。

その理由として考えられているのは、追い込みすぎると筋肉の疲労や損傷が大きく、コルチゾールが大量に分泌されることから、コルチゾールによる筋分解が促進されたことが原因とされています。

追い込みすぎると怪我のリスクも上がり、精神的なストレスも大きいので、筋トレにおいては追い込み過ぎない方が良さそうですね😊

(4)筋トレ前にストレッチをすると筋肉が付かない理論とは?

松本さんは毎日のように筋トレをするようですが、実は筋トレ後、筋肉は24時間で回復しているようで、筋トレをすると3日くらいは筋肉痛が続きますが、筋肉痛と筋力には関係がないようです。

筋肉痛があると何だか動きにくくなるイメージですが、それはウォームアップが足りないだけで、ウォームアップをしっかりやって体を温めてやると筋肉痛は治まるようです。

松本さんはウォームアップをする際は静的ストレッチより動的ストレッチを推奨されており、2018年にカジ大学が発表した論文では筋トレ前の静的ストレッチは筋力パフォーマンスを下げることが研究で明らかになっています。

それと、もう1つストレッチのことで松本さんが面白いことを仰っていたのですが、ストレッチをするのであれば、パフォーマンスを上げたい部位の対象筋をストレッチした方が良いとのこと。

どういう事かと言うと、大胸筋を使う筋トレをするのであれば、背中の筋肉を、前ももの筋肉を使うのであれば、裏ももの筋肉をストレッチするイメージです。

(5)数日休んだから筋肉が落ちたはウソ!2週間では筋肉は落ちない

2020年にベイラー大学が発表した論文では、20名を対象に2週間の休息が筋肉量に与える影響を調査し、4週間のトレーニング後に2週間のトレーニングを止めても、徐脂肪量(≒筋肉量)に有意差はなかったのこと。

また、2011年に東京大学が発表した論文では、15名を対象に15週間連続してトレーニングをするグループと6週間トレーニング→3週間休息→6週間トレーニングを行うグループに分けて筋肥大率と筋増強率の違いを検証した実験では、両グループ間に有意差はなかったとのことです。

筋トレやトレーニングを継続できるようになってくると今度は休むことに対して脅迫概念が出てきますが、実はちょっと休んだくらいでは、筋肉は落ちません。

それに人間にはマッスルメモリーといって、一度トレーニングや運動を行った筋肉が休憩期間を挟んでもその情報を保持しており、筋肉が萎んでも比較的簡単に元の筋力に戻ることが分かっています。

こう考えると休むことに対する脅迫概念が減りますよね。

2.最新科学で証明されたダイエット・ヘルスケアの新常識

(1)低脂質ダイエットVS糖質制限ダイエット

ダイエットと聞くと、低脂質ダイエット派か糖質制限ダイエット派に分かれると思いますが、実はこの2つのダイエット方法は長期的に見るとダイエット効果に差はなかったことが、2014年にトロント大学が発表した論文で分かっています。

論文では6か月の短期的なダイエットでは、糖質制限ダイエットの方が効果は高かったそうなのですが、糖質制限ダイエットは体重とともに筋肉量も減ってしまうため、筋肉を残しながらダイエットをした方においては、低脂質ダイエットの方が良いそうです。

ダイエットをされる方は、自分がどちらのダイエット法がやりやすいか、体に合っているかな等を考慮していただきたいのですが、ダイエットをする際に心が得けていただきたいのでは、三大栄養素であるたんぱく質、炭水化物、脂質のバランス(PFCバランス)よりも、摂取した総カロリーが大切になってくることです。

脂質や糖質を極端に減らした方が、分かりやすく短期的な効果があるため、世間ではそのようなダイエット方法が騒がれていますが、バランスが崩れるとその分、体にも負担が大きくなりますので、ダイエットは2kg/月の減少を目標に続けられるダイエットを選択するように心がけましょう。

(2)健康に良い筋トレ頻度

本動画では健康に良い筋トレは1時間/週の筋トレで十分とのことです。

これは1週間に1時間の筋トレをすればよく、1回に1時間しようとも10分を6日間にしても良いようなのですが、筋力を維持する意味では1日10分の筋トレを6日間実施した方が良いと語られていました。

ただ、松本さんは30分の筋トレを2日間する方が筋トレ効果は高いと述べられていましたので、せっかく筋トレするのであれば、効果が高い30分の筋トレを週に2日実施する方が良さそうですね。

ちなみに老化防止(アンチエイジング)には、血流改善のために毎日筋トレをした方が良く、何を求めるかで筋トレ頻度や時間、強度は変わってきますので、自分に合った筋トレを行うようにしましょう。

(3)身長を伸ばすために効果的な栄養成分

2016年にマサリク大学で発表された論文では、世界105か国の男性の平均身長と1日当たりのたんぱく質の摂取量には強い相関がみられ、特に動物性たんぱく質(ホエイプロテイン)の摂取量との相関が大きかったことが分かっています。

要するに肉や魚などの動物性たんぱく質の摂取量を増やせば身長は伸びるということです。

特に身長が伸びる幼少期は、1日のたんぱく質の摂取量が体重×2g程度になるよう意識してもらいたいのですが、食事からの摂取が難しい場合は、子どもであってもプロテインで補給しても良いとのこと。

一昔のプロテインであれば、味覚的に子供が受け付けないものがあったと思いますが、最近は味もおいしく、種類も豊富になっていますので、日常の食事の中にキッズプロテインを採用してはいかがでしょうか。

また、他の論文では亜鉛を摂取することで、身長が伸びたという結果もあるようなので、サプリメントなどを活用して亜鉛の摂取量も意識して増やしましょう。

私くらいの年齢に差し掛かってくると、日頃から運動している人としていない人では、見た目年齢に差が出てくるようになります。

同窓会に行くと、「この人老けたなー」とか「髪の毛が薄くなったなー」と思うことや、職場でも同年代のハズなのに老けて見える人もいます。

毎日元気で健康に、そして若かしくいたいのであれば、筋トレやランニングなどの運動を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。


【PIVOT 公式チャンネル】

【論文×トレーニング】有酸素運動と筋トレは混ぜるのはNG/やればやるほど筋肉がつく/追い込みすぎると筋肥大しない/数日休んだら筋肉が落ちたはウソ/筋トレは「資産」【BODY SKILL SET】 (youtube.com)

#14 筋トレの新常識!?マッスル社長の超科学的身体づくりとは【後編】 – YouTube

【松本勝さん マッスル社長のGOトレChannel】

マッスル社長のGOトレChannel – YouTube

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