蛍と月の真ん中で

今回は川邉徹さんの著書「蛍と月の真ん中で」をご紹介します。

何者にもなれていない自分を、恥ずかしがらなくていい。


小さな地方都市で写真館を営んでいた父の影響で、カメラマンを目指すようになった匠海。父の死後、母との関係性が悪くなった匠海は、逃げるように東京の大学へ入学し、写真を学び始める。
しかし、待っていたのは、学費と生活費を稼ぐだけで精一杯の毎日。これを乗り越えれば、きっと夢に近づける――。そう信じ込み、なんとか自分を奮い立たせていた匠海だが、ある出来事をきっかけに、大学を休学することに決める。
実家にも帰れず、衝動的に向かった先は長野県・辰野町――かつて父が蛍の写真を撮影した場所だった。なんの計画もなく訪れた匠海を出迎えてくれたのは、父が愛した美しい景色。そして、それぞれの事情で辰野に移住してきた人や訳あって辰野を離れられない人との出会いが、彼の心を変えていく――。

『流星コーリング』で広島本大賞を受賞した著者による、
自分の居場所を求める若者たちの葛藤と足掻き、その先にある確かな一歩を描いた、瑞々しい傑作青春小説。

本作品は父の影響でカメラマンを目指す大学生の大野匠海。

無くなった父のようなカメラマンを目指し、大学に通うが学費と生活費を稼ぐためのバイトばかりの日常から逃げるように大学を休学し、過去に父が蛍の写真を撮影した場所である長野県辰野町へリュックとカメラを持ち、向かいます。

父が撮影した場所に行けば、今の生活から抜け出せるのではないかとすがる思いで、向かった先には1人の少女がおり、その少女との出会いをきっかけに匠海の長野県辰野町での生活が始まります。

匠海が暮らすことになった長野県辰野町は、田舎で過疎化が進んでおり、都会で暮らしていた匠の生活とは全く異なるものでしたが、辰野町で出会う人々と触れ合うことで、自分のしたいことやしたかったことを見つけていきます。

現在の世の中では人と人との繋がりが希薄化し、自分の居場所を見つけられない若年層が多数いますが、本書はそういった人々が自然の中で自分自身を取り戻していく物語となっていますので、自分の居場所を見つけられず、葛藤を抱えておられる方にはおすすめの本となっています。

自分の居場所はあるようで、ないものです。

もし皆さんが自分の居場所を見つけられず、葛藤を抱いておられるのであれば、是非、手に取って本書を読んでみてください。

自分の居場所を見つけるヒントがあるかもしれません😊

「蛍と月の真ん中で」~つながりを紡ごう~ 著者 河邉徹さんと巡る小説の舞台 〈長野県辰野町〉

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