今回は田中健智さんの著書「共闘<セオリーを覆す父と娘のコーチング論>」をご紹介します。

自身の生い立ちから、突然のプロ転向をした現在の娘のコーチ業に至るまでの経緯、そして常識を覆すような独特なトレーニング論をまとめた。
女子中距離界の女王として君臨する長女を、どのように指導しているのか。こんな親子の絆・信頼関係もあっていいんじゃないかと思わせてくれる一冊。
親でもありコーチである父親の悩みや葛藤が、赤裸々に語られている。
【目次より】
序章
第1章 「長距離王国」に生まれた宿命
・〝駅伝〟という漢字すら知らなかった少年時代
・「サンショー」との出会い
・恵まれない環境、だからこそ勝ちたい
・マラソンでの思わぬ壁、そして妻との出会い
第2章 父親として、コーチとして
・最後までやり切らないと積み木を壊す性格
・妻をもう一度走らせた娘の一言
・娘に強くなることは求めていなかった
・本を読みたい、だから走って帰るには「続き」があった
・子供たちの「自発性」で始まった練習会
・人生で初めてつかんだ「優勝」
・思い描いた成長曲線を上書きする走り
・中学時代の走りと、今も変わっていない
・一度だけ落とした雷
・「自分らしくない」選択をした高校の進路
・強豪校でもない、実業団でもないという選択
・突然のコーチ打診
第3章 覚醒
・コーチと選手、親と娘の関係性
・まずは5000メートルで勝負できる選手に
・合宿だからといって、特別なことは何もしない
・表彰台に上れなかった日本選手権
・灼熱のスペインで片付けた「宿題」
・ドーハの決勝で、常識的な考え方を覆された
・甘さに気づき、反省したニュージーランド遠征
・練習を〝比べられない〟ようにする理由
・苦しみを希望に変えたコロナ禍
第4章 常識を覆すコーチング
・それぞれの種目を突き詰める理由
・4分の壁
・世界との差は「限界」ではなく、次の年に向けた「伸びしろ」
・オレゴンの3種目挑戦は、「ムダ」ではなかった
・ケニア―― 現地で体感した「強さ」の理由
・「郷に入っては郷に従え」が私たちの流儀
・私たちはなぜ海外に行くのか
第5章 プロ転向での成長
・既存の枠組みから抜け出す
・人としての自立を求める
・「田中希実」を演じるな
・「チーム田中」解散の危機
・1年間の集大成となった日体大記録会
・父親とコーチの〝半々〟だからこその葛藤
・次世代のために種をまく
終章
田中希実(たなか・のぞみ)
1999年9月4日、兵庫県生まれ。小野南中-西脇工高-同志社大学(ND28AC-豊田自動織機TC)-豊田自動織機-New Balance。中学時代から陸上競技に本格的に取り組み始め、1年時より全国大会で活躍。高校入学後は、国際大会でも力を発揮し2016年U20世界選手権3000mで8位入賞、大学入学後はクラブチームで活動し、18年U20世界選手権3000mで優勝を果たすと、翌年19年ドーハ世界選手権に出場。5000mでは予選、決勝と自己新をマークし14位。21年のTO東京五輪では1500m、5000mに出場し、1500mで8位入賞の快挙を成し遂げた。22年4月に豊田自動織機に入社。同年7月の世界陸上オレゴン大会では日本人初となる800m、1500m、5000mの3種目出場に挑戦している。23年4月からNew Balanceに所属。同年日本選手権1500mで4連覇、5000mでは3回の優勝を飾っている。24年も3月の世界室内で3000mのアジア記録を打ち立てるなど好調をキープ。同5月のDL第5戦ユージン大会5000mでパリ五輪参加標準記録を突破し、パリ五輪代表に内定。日本中距離界の女王として注目は高まるばかりだ(※2024年6月21日現在)。
本書は東京世界陸上にも出場した陸上・女子中距離界のエース:田中希実さんのコーチであり、父親でもある田中健智さんの著書です。
私は2021年に開催された東京オリンピックでの田中希実選手の走りを見て以来、田中選手のことが好きになり、その田中選手のコーチが自身のお父さんであることを知り、本書を購入しました。
田中選手と言えば、これまでの陸上の日本記録を数々も塗り替えており、言わずと知れた女子陸上界のエースですが、エース故の苦悩や葛藤、コーチであるお父さんの選手であり、娘である田中希実さんに対する接し方の難しさや辛さが述べられています。
陸上という競技は、観戦者の私たちから見れば、大会や記録会で競技をしている時しか見ることはありませんが、それまでには血のにじむような地道なプロセスがあり、そんな一流選手のプロセスを垣間見れることは、とても貴重なことだと思うんです。
結果や記録が出れば、選手は褒めたたえられますが、反対に結果や記録が出ないと叩かれたり、スポンサーが撤退して活動が出来なくなったりと、競技以外の裏の部分はとてもシビアな世界です。
だからこそ、選手は精神的にナーバスになったりするわけですが、本書ではコーチ関係であるとともに親子でもある2人の信頼関係を垣間見ることができ、一ファンとして、そして、同じく娘を持つ父親として本書を読み進めていました。
田中選手と言えば、今はトラック種目を中心に活躍されていますが、マラソンにも興味を持たれていて、何れはマラソンに挑戦されると思いますが、これから先、田中選手がどのような道を進んでいき、そして結果を残していくのか、益々、楽しみですね。
私は完全に一ファンとしてですが、田中選手には競技を楽しみつつ、これからも己の道を進んで言ってもらいたいですね😊
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